あばん・ぎゃるど  
  シトロエン日記  
  2011.9.11 Xm、ウィンカー出してないのにカチカチ言う現象対策  

(いきさつ)
ウィンカーを出していないのに、ウィンカーがカチカチ言う現象がもう1年以上も前から出ていました。ウィンカーを出して戻った直後や、何もウィンカーを操作していないのに、ウィンカーのリレー音が通常より速くカチカチカチ・・・っと音がするんです。このとき、音だけで、実際にウィンカーは出ていないので、鬱陶しいというだけの話なんですが、音が大きいのでかなり気になります。
これが出ると、微妙にウィンカーレバーを右または左に動かすと音が止まりますが、手を離すとすぐに音がしだすときもあり、なかなか止まらなかったりして、やはりウザい。私の場合は、この現象が出たら、右に微妙にレバーを動かすと直ることが多い、ということを発見したのは、まだ最近のことでした。

この現象はXmのお約束のひとつといえる現象で、ウィンカーユニットの接点の磨耗が原因といわれてました。磨耗した金属粉が接点をつなぎ、ウィンカーを出していなくてもウィンカーがカチカチいうようです。
ですが、この現象は粉が原因だからか、しばらくするとあまり出なくなったり、また頻繁に出始めたりするので、ずっと様子見をしてたわけですが、またここのところ頻繁にでてきて、気になっていました。

(放っておくと煙が出る)
さらに、困ったことは、4月末に、私としては2度目の東京まで遠出したとき、右にウィンカーを出した時、ガチっといって、ウィンカー・レバーがロックしたように、固くなって戻らなくなったんです。その数秒後に、ステアリング付近から煙が出てきたんです!臭い・・・。
やべー!すぐに無理矢理ウィンカー・レバーをがちんっ!と戻したわけです。それで煙はおさまったんですが、今度はレバーが右に倒れなくなったんです。つまり、右のウィンカーが出せない状況に!・・・うはぁ・・・・どないするん?
ですが、落ち着いて状況を確認すると、レバーがカチンと右に倒れないだけで、レーンチェンジ用にちょこっと出す操作はできることがわかりました。つまり、カチンと倒れてロックされないだけで、手で保持しているとウィンカーが出ます。そこで交差点を右折するときは、ちょっと厄介なんですが、左手でレバーを保持して、右手だけでステアリングを回してしのいでいました。せっかくの遠出なのに、なんてこった・・・。やっぱりXmで遠出すると、何か起きるな、たとえ中期型といえども・・・。そう思ってましたが、翌日右にウィンカーを出したとき突然、カチンッとレバーが倒れ、直りました。
煙は、カムイさん号でも、同じように出たらしく、私のだけの現象ではないようです。
こんなことがあり、焼損したところも気になっていたのですが、このユニットをばらす作業が厄介そうで躊躇っていたところ、諸先輩がチャレンジしている具体的報告が出てきたこともあり、私も対策をすることにしました。

作業に必要な道具の一部。T20トルクスビット、プラスドライバー。この他、細いマイナスドライバーが何本があればOK
(予習)
まずは、先輩諸氏のサイトで予習です。

MAKOさんのサイトです。ここには私もコメントさせてもらってます。
MAKOさんのサイトは写真が精緻なので、構造などを知っておくのに役立ちます。
http://rugidth.blog61.fc2.com/blog-entry-86.html
http://rugidth.blog61.fc2.com/blog-entry-87.html

次に、某ディーラーの現役メカニック、じーじさんのサイト
http://homepage2.nifty.com/petit_garage/winker_lever/winker_lever.html
このページは、作業手順が簡潔に書いてあるので、作業の流れやポイントを予習しておくのに最適でした。このページがなかったら、私は作業する決断ができなかったと思います。
(作業手順)

まずは、ステアリング・コラム下のカバーを外します。
カバーを外すには、T20トルクスねじを5本(白矢印)外せばいいわけです。

この作業に入る前に、作業がしやすいように、運転席シートを一番後ろまでずらしておきます。
また、ステアリングの下なので、運転席ドアを開けたまま、地面に膝を付いて作業をすることになりますから、地面に厚く新聞紙を敷くなりして、作業環境を整えました。
この5本のねじを外すにのにも、いくつか簡単なポイントがあります。
まず一本目、ここは、矢印がビスです。
その隣にある蓋は、キーを照らすキーイルミネーション用の照明なんだそうです(あとでじーじさんが教えてくれました)
次にここ。このチルトステアリングのレバーを緩めると、そこにねじがあります。
これはパネルを外した後の写真ですが、これを見ると、ねじの位置がよくわかると思います。
この中で、青矢印のねじもポイントの一つ。楕円形の穴の奥にねじがあって、懐中電灯で照らしながら中を覗き込まないと位置がよくわかりません。楕円形の下の方(写真で左側)にねじはあります。
5本のねじを外すと、このロワー・パネルがガバっと外れます。
しかし、ここで何かひっかかってる(矢印)。
クルーズコントロールのレバーがひかかってるというか、ロワー・パネルに固定されているので、このままだと、パネルが宙ぶらりんになって、ハーネスに負荷がかかりそうでよくありません。
そこで、クルーズコントロールのレバーが繋がるコネクタ(白枠)を外そうとしましたが、うまくはずれません。

クルーズコントロールのレバーが邪魔なので、これを外します

仕方なく、レバーをロワー・パネルに固定している3本のプラスねじを外すことにしました。
まだレバーはプラプラしてますが、これくらいの負荷なら大丈夫そうです。

これで、ロワー・パネルは完全に外れました。
ここまできたら、チルトレバーを緩めて、ステアリングを一番下に下げます。
すると今度はアッパーカバーがぐらぐらとしますので、それを指で上にあげると、ウィンカー・ユニットを留めているプラスねじが2本見えます。これを外します。
このねじはステアリング・スポークが邪魔をするので、斜めから長いドライバーを使って外しました。あらかじめステアリングを切っておいて、真っ直ぐドライバーが入るような位置で外す方がいいと思います。
2本のねじを外したら、ウィンカー・ユニットを繋ぐカプラーを抜きます。
しかし、ここで問題が2つ。

一つ目は、どうやってこのカプラーを抜いたらいいのかわかりません。持って引っ張っても抜けそうにないんです。どっかに外れ留めがあるのだと思うのですが、見当たりません。

二つ目の問題は、コネクタが外れたとして、ウィンカーユニットを横に引き抜くのですが、この写真のように、アッパー・カバーを目いっぱい上に持ち上げても、ビス穴が邪魔をして、ウィンカーレバー本体を引き出せません。
MAKOさんもここで苦労したと書いてあり、チルトレバーを操作して、ステアリングを一番下に持ってきても、だめ、この写真のようにどうしてもひっかかって、引き抜けないんです。
知恵の輪のようにやればいいのかと、四苦八苦しましたが、無理です。

ここで、早くも挫折しかかりました。どうしても解決できない。この日は残暑が厳しい日で、汗だくになりながら、一度、部屋に戻って、あばん・ぎゃるどスクエアで、じーじさん、MAKOさんにヘルプしました
すると、なんと10分後にじーじさんが書き込みをしてくれたんです!え?日曜なのに、見ててくれたんだ!
じーじさんによると、まず「カプラーは内側にロックのぽっちが有るので、押しながら抜いて下さい」しかし、見た目、そのようなぽっちはないんです。ということは、見えている裏側というか、向こう側にぽっちがあるはず。そう思いながら、奥側の黒いカプラーに手を伸ばして、探るとぽっちらしきものが指にあたり、それを押しながら、抜くと、抜けました。力が入りにくいクリアランスしかないんですが、なんとかなりました。
この写真は抜いた後のものですが、この白丸がぽっちです。これがレバー左から見ると、裏側になるため見えなかったんです。もしかしたら右側からアクセスしたら見えたのかもしれません。そのときは、右側からアクセスするという発想がなかった(^_^;)
で、両方とも無事抜けました。

テレスコピックを使わないとこれくらいのクリアランスしかない


テレスコピックを使って目いっぱいステアリングを引き出すとこれくらい開く
次はいよいよウィンカーユニットを引き抜きます。

これがアッパー・カバーを目いっぱい上に持ち上げても、ビス穴が邪魔をして抜けなかったわけなんですが、じーじさん曰く「テレスコピックを一番伸ばして下げて下さい。」
え?テレスコピック?テレスコピックっていやー、ステアリングが前後に動くやつですよね?Xmってついてないし・・・。チルトだけしかついてないじゃん。
大体、日本車のちょっと高いやつは、はチルト・アンド・テレスコピック・ステアリングついてるけどさー・・・。
で、じーじさんに遠慮がちに「テレスコピックだけど、私のやつ、チルトはあるけどテレスコピックがついてない(;_:)」と答えてから、一応、念のため車に戻り、ステアリングを引っ張ってみると・・・ズコッ・・・あれ、引っ張れる・・・・(^_^;)
えーーー?Xmってチルト機構だけじゃなくて、テレスコピック機構も付いてたの?参った・・・知らなかった。Xm乗って苦節13年、初めて知った事実。たにやんのこと笑えない。

で、引っ張ってみると、この写真のようにかなりクリアランスができました。

で、チルトでステアリングを一番下に、テレスコピックで一番手前に引っ張り、このようにアッパーカバーを目いっぱい上に上げてみると、無事、ウィンカーユニットが引き出せました。
あー、よかった!
このコツさえわかってしまえば、まったく難なくウィンカー・ユニットを取り出せます。
ユニットは、油で濡れています(白丸)。なんでこんなところに油塗るのかな?

取り出したユニット。
さぁてと、これをどうやって開けるのか?
ねじなどなく、簡単に分解できそうにもないです。
じーじさんのサイトの写真をじっくり見ながら、どういう構造になっているのか、観察します。するとこじ開けるポイントが見えてきました。
私は、白丸に細いマイナスドライバーをこじ開けるように、ねじ込みました。

すると、ずぼっとドライバーが入って矢印のように隙間が開きます。
ここで、ドライバーをねじ込むとき、注意があります。
この写真は、こじ開けて分解した後の写真ですが、この白丸のように、ウィンカーを戻すためのばねを留める爪が付いていますので、これを折らないようにします。
3つ上の写真の白丸部が、この写真の白丸部に相当します。

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ドライバーをねじ込んだまま、できた隙間にマイナスドライバーを挿し込み、ひねって隙間をこじ開けます。すると青丸部のラッチが外れます。写真をクリックすると拡大されます(pdf)。
裏側も同様にこじ開けます。
こじ開けられました。こじ開けると、大きく3つの部分に分かれます。
1つ目は、こじ開けた蓋の部分で、3つ上の写真がそうです。
2つ目は、ウィンカーレバー部分。この写真では見えてませんが、ここに問題のレバーの接点部分があります。
3つ目は、接点ユニット。ここはウィンカー接点のほかに、フォーンやライトスイッチの接点などが収まっています。
レバー部と蓋部は、グリスでべたべたしています。

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レバー部を持ち上げてみます。写真をクリックすると拡大されます(pdf)。

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レバー部を裏返すと問題とされるレバー部の接点が見えます。写真をクリックすると拡大されます(pdf)。
上の赤丸部を拡大したのが、この写真です。磨耗して、変な突起などが出ているのがわかります。

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次に、接点部を見てみます。ここが一番、問題とされているところです。
写真をクリックすると拡大されます(pdf)。

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別の角度から見てみます。
写真をクリックすると拡大されます(pdf)。
拡大するとよくわかるのですが、思ったほど、金属粉が飛び散ってません。MAKOさんの写真のような状態を想像していたのですが、黄色矢印のように小さいのがポツポツあるくらいです。
ただ、赤枠部の下には粉がたまっているように見えます。
もうひとつのポイントは青枠部。これが何をしている部分なのかわかりませんが、焦げています。ステアリング・ポストから煙が出たのは、ここが焼損したからかもしれません。MAKOさんの写真でもここは焦げていました。
さらに、重要なのは、白矢印の先です。焼損した粉が接点部の一部と接触しているように見えます。ここは、ウィンカーを右にも左にも出していないときに、レバー部の接点が、位置づくところです。
つまり、ウィンカーを出していないときにカチカチ言うのが今回のトラブルですから、ここが一番大事って事になります。この青枠部にレバー部接点があるとき右にも左にも接点が接しない中立位置ということですから、特に注意して清掃が必要なわけです。


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もう少し拡大してみると、様子がよくわかります。
接点の下や隙間(2つ上の写真の白矢印部)に入っている金属粉をめがね用の小さいマイナス・ドライバーなどで、取り除きます。さらに、隙間を拡大しておきます。
さらに金属粉を取り除くのに、MAKOさんのようにエア・ブローがなかったので、エレクトロニック・クリーナーを吹きかけ、粉を洗い流しました。
清掃が終わったら、じーじさんのサイトのアドバイスにあるように、青枠接点部に薄くグリスを塗ります。
グリスといっても持っていないので、蓋部に付着していたグリスを指にとって、薄く塗っておきました。
そもそもこのトラブルは、レバー部接点がウィンカーを出すたびに、この青枠部を往復し、磨耗することによって発生するわけですから、滑りを良くして磨耗を防ぐために、この青枠部にグリスを塗ることは理にかなってます。さすが、じーじさん。
でも塗りすぎると今度は接点が絶縁されてしまいそうですけどね。

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次に、じーじさんのサイトの情報にあったように、レバー側の接点をヤスリで磨きます。
じーじさんのサイトでは、まーるく綺麗に磨いてありましたが、私は磨きすぎて接点が小さくなると怖いので、そこそこにしました(^_^;)
このてっぺんが三角錐になった円柱状接点の下部にはバネが仕込まれており、磨耗してもせり上がってくるので、磨いても大丈夫なのかもしれません。

これで、レバー側、接点ユニット側の接点を処置できました。
処置作業が完了したので、ユニットを組みなおしていきます。
まず、蓋部の赤丸突起部分に、分解時に外れてしまったバネを引っ掛けます(青矢印)。
このバネはウィンカー・レバーを中立位置に戻すためのバネです。
次に、レバー部を接点部に戻します。
このとき、レバーに内蔵されているスライド式ライトスイッチが、接点部に仕込まれているスイッチにうまく噛み合うようにします。
レバー部のスイッチをライトOFFの状態にして、接点部のスイッチはこの写真で一番右側方向に寄せておくとうまく噛み合います。
噛み合ったら、軽く左手の指で押さえたまま、ライトスイッチを操作して、きちんと噛み合っているか確認します。
次に、右手で蓋部を取り上げます。左指で押さえたまま作業しないとすぐにレバー部の重みで外れてしまい、また噛み合わせ作業からやり直しになります。

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蓋部を青矢印のように合わせて、蓋を閉めます。このとき、蓋部の中立位置に戻すレバーがカクン、カクンと動作することを確認します。
元に戻りました。
ここまできたら、あとはウィンカー・ユニットを抜いたのと逆の手順で戻していきます。

途中、ロワー・パネルを閉じる前に、エンジンをかけてみて、ウィンカーやライトが正しく動作することをテストします。
ここまで、写真を撮りながら、挫折しかけながら、4時間くらいかかりました。じーじさんに助けてもらったおかげで、無事作業が終了しました。
一度コツがわかってしまうと、1時間くらいで作業ができそうです。

じーじさん、そして、MAKOさんには、大変感謝しています!ありがとう!!

作業して、2週間経過しましたが、今のところ再発していません。

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