あばん・ぎゃるど  
シトロエン日記 
  XMのマルチポイントアースコネクタの廃止  

XMにはボンネットを開けるとすぐにわかりますが、左右のフェンダーにマルチポイントアースコネクタがあります。WIRING DIAGRAMによると主要なアースポイントは8つあり(細かいのはもっと多い)、それぞれm1〜m8と名前が付いています。今回の対象は右がm1、左がm2と呼ばれています(写真はm2)。m1,m2ともにいくつかのコネクタが刺さっています。このコネクタが接触不良を起こして、わけのわからない奇怪な現象を引き起こしがちだと言われています。

そこでこのコネクタを廃止し、丸端子でボディーから出ているボルトに直接締め付けようという作戦が今回の概要です。

【各アースにつながる装置一覧】

凡例:2黄1は2ピン黄色コネクタの1番ピン
注1:同一ピン数、同一色のコネクタは複数有り、それぞれの別は表現できていない
注2:表はWIRING DIAGRAMから拾い上げてまとめた

m1をアースとする装置 m2をアースとする装置

装置

コネクタ 線の色 装置 コネクタ 線の色
フロントブレーキパッド右 3黄1 フロントブレーキパッド左 5黄2
イグニッションモジュール 2黄1 ブレーキスイッチ 5黄1
クーラントレベルインジケータユニット 2黄2 ハイドロリック・プレッシャ・スイッチ 5黄3
ボディ・ムーブメント・センサ 4黄3 ウォッシャ・レベル・センサ 5黄5
ハイドラクティブECU・8番ピン 4黄2 ボンネットロック・スイッチ左右 5黄4
サスペンション・エレクトロ・バルブ 4黄1 フロント・フォグ・ライト左右 5黄5
ポジショニング・ライト右、ウィンカー右 2黄1 ポジショニング・ライト左、ウィンカー左 5黄3
ヘッドライト右・ハイビーム右 2黄2 ヘッドライト左・ハイビーム左 5黄1
サイド(フェンダー)・ウィンカー右 3黄3 サイド(フェンダー)・ウィンカー左 5黄5
ABSハイドロリック・ユニット 5黄4 ホーン左右 5黄2
ABS ECU・20番ピン 5黄1 アンダー・ボンネット・ランプ 5黄4
ABS ECU・03番ピン 5黄2 フロント・ウォッシャー・モーター 5黄5
ABS ECU・28番ピン 5黄3      
ABS ECU・27番ピン 5黄5      

 

バッテリはマイナス側端子を外しておきます。

まずm2から始めました(すみません。写真はm1です^^;)。
写真のようにコネクタの外れ留めが付いています。これを手で外します。ちょっと外れにくいですが、ゴネゴネしてるうちに、まぁすぐにはずれるでしょう。外れ留めを外したら今度はコネクタを抜きます。

コネクタを抜くとこのように10mmのナットが見えますので、これを外し、コネクタのオス側を外します。実はm1、m2共に写真のように各々上下2個のオスコネクタがあります(写真では左右)。
m2を外すには、クリアランスが狭いのでラチェットレンチがないとナットを外しにくいかも知れません。
外すとこのように結構汚れています。私はこれでも年に1回は磨いていたほうです。一度も磨いたことがなければ相当汚れているはずですので、コネクタを廃止しなくても、汚れを取っておく方がいいと思います。
コネクタの根本をニッパーで切断します。一本一本やった方がいいと思います。切断したら丸型端子を圧着します。

今回使用した端子は丸型端子3種類。全てオートバックスで購入しました。

コネクタにつながる線のサイズは一番細いものから順に0.5sq、1.25sq、2.0sqの3種類くらいあります(たぶん^^;)。ここでsqというのは線の断面積のことです。さらにアースボルトの太さが10mmナット用なので、適合ネジサイズM6と呼ばれるものを準備します。これは穴径6φとも表現されます。

(株)フジックス製 STAFMAN A-12 (写真上左) 160円 × 2セット
  6φ丸型端子 5個入 適合電線1.25〜2.0sq
  圧着部形状:丸

(株)フジックス製 REV'S REV3220 (写真上右) 200円 × 2セット
  6φ丸型端子 5個入 適合電線0.75〜2.0sq
  圧着部形状:M

(株)フジックス製 STAFMAN A-17 (写真下) 160円   × 3セット
  6φクワ型端子 5個入 適合電線0.5〜1.25sq
  圧着部形状:M

A-12は圧着部が丸だったのですが、バッテリーアース線の換装のときに、圧着がやりにくかったのでM字のREV3220も用意しました。A-17はクワ型ですが、6φのものでこの適合電線のものがこれしかなく、しかたなくこれにしました。

線端を5mmほど剥き、電線に付属の絶縁スリーブを通します。それから端子を圧着します。圧着方法は端子のパッケージの裏に書かれています。圧着方法はバッテリーアース線の換装を参考にしてください。
ここで細い線は、端子が太いためになかなかうまく圧着できず、何度もやり直しました。不慣れな人は、練習用に線を買ってきて何個か試した方がいいとおもいました。細い線は2本を1個の端子にまとめるなどしたほうがよいと思います。
圧着後はスリーブを線端までつめておきます。
m2だけで12本もつくるんですが、これがまたここまででけーっこう疲れます。なにしろ線が短いですから、引っ張れず、中腰のまま作業しないといけないから、腰に来ます。腰、弱い人はやめたほうがいいんじゃないでしょうか(^_^;)
あとは、このように10mmのナットを締めて完成です。1配線につき1個にすると端子が多いので2ヶ所のボルトに分散して締めます。ですから元々の位置とは異なって接続することになりますが、同じボディーアースなので問題はないと思います。

ここまででテスト走行しましたが、問題なく動きました。ウィンカーもちゃんと出ます。しかーし!翌日m1をやってひどい目にあったのです(>_<)

m1についても同様にしますが、m1の場合はECUボックスの蓋を外さないとアクセスしにくいので、蓋を外します。外し方は簡単で工具はいりません。上下二つに分かれている蓋の下の方を手で外します。左右に押さえて手前に引けば簡単に外れます。
あとはm2と同様にやります。m1の方は上下2ヶ所あるアースボルトのうち、下側の方で既に3本だけコネクタが廃止されていました。細いの2本を一つの端子に、太いの一本を一つの端子に、計2個に換装してあったのです。前オーナーがやったのでしょう。どの分かはわかりません。

これまた腰に来る作業でしたが、夕方4時過ぎから始めて5時半くらいには終わりました。

 

さーて試乗です。エンジンスタート!バッチリかかります。夕方なのでライトをつけます。ポジションライトON。うん、点くな、いいぞぉ!フォグランプON!うん、オッケー、オッケー、いいぞ、いいぞぉ!
次、ヘッドライトON!・・・ん?・・・ON!・・・ん??・・・れれ?点いてないのか?・・・降りてみる・・・あちゃーーーー!!!ヘッドライトが両方ついてないじゃんかー!こりゃあかん、圧着不良だろうな・・・。
ちなみにハイビームは?うん、これはちゃんとつくな。ウィンカーは?うん、これもよし。ヘッドライトだけかぁ・・・。

さっそくエンジンを止めて、目視確認しますが、ヘッドライトに関係してるやつは黄色の太いやつなので、ちゃんとできています。ヘッドライトはウィンカーと関係していますので、ウィンカー関係のものも調べて、とにかく片っ端から少しでも怪しいものを、もう一度上からカシメていきました。でも結果は変わりません(>_<)。

ヘッドライト関係はm2にもあります。・・・でも考えたくない・・・。m2まで戻るのはやだ・・・。でm2のボルトを締め直したりしているうちに・・・あちゃちゃーーーー!おーいい!!!!ヘッドライトどころかフォグランプもウィンカーも出ないじゃーん!なんで、なんでー!?とパニクってしまいました。
現象は、こうです。ヘッドライト、ハイビーム、フォグランプ、ポジショニングランプ(サイドランプ=スモールランプ)、フロント・ウィンカーがつきません。フロント関係全滅です。サイドのフェンダーにあるウィンカーはつきますが、カチカチカチと素早く点滅します。運転席のメータークラスター内のウィンカーランプも同様に素早く点滅です。リアも同様です。ですが、ハザードにすると通常の点滅になりますが、フロントは点きません。

まいったなぁ今日が会社の夏休み最終日で明日から出社だというのに・・・これじゃ、運転できないしなぁ。しょーがない。直そう!・・・とm1を中心に8時半までかかってやりましたが、ダメでした。暗い中を懐中電灯をぶら下げて作業しますから、なかなかうまくできません。疲れ果てました・・・。落胆。失望。自信喪失・・・。あーぁ、フジワラさんが「触らぬ神にたたりなし」はある程度本当って書いてたけど、特にすぐに困ってるってわけじゃないのに、さわらなきゃよかったなぁ・・・と、後悔したりもしました。

 

翌日、会社を休んでm1、m2の圧着を一部やりなおしました。やり直してる過程で前オーナーが廃止した2個の圧着端子のうちひとつが、ひっぱっただけではずれたりもしました。
そうして、朝からお昼までかかってようやく発見しました。なんと!写真中央の大きなコネクタが外れていたんです。そういえば、昨日m2を確認するときに邪魔なんで外したなぁ・・・^^;;;。で、それを接続すると・・・あっけなく、ヘッドライト以外は回復。つまり、一番最初の現象に戻りました。ほっ・・・めっくちゃうれしかったです。あとはヘッドライトです。m1の圧着を見直し、m2ももう一度とやっていると、回復しました。すっごく疲れました。もう懲りたって感じでした。ですが、今振り返ってみるとやっておいてよかったかな、と思っています。

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