あばん・ぎゃるど      XM北東北通信 by フジワラ >>> メンテナンス・アドバイス

 〜 インジェクション配線と熱害 〜

初期型のXMはそれ以降のバリアフリー?モデルと違い、ご当地フランスでの使用しか設計に反映されていないように思われます。
熱害を考慮した配線レイアウトとなっているとは思えません。また、どうしてもここを(熱害が予測される)通すしかないといった場合でも配慮がなかったりします。

これらの要因で長年使用する間に配線がどうなるかというと・・・

1. 熱害がある部位にシールド処理がなされていません。されていたとしてもごくチープ。 
2. 熱害によって配線皮膜が硬化します。
3. 硬化が進むと亀裂が生じます。
4. 亀裂よって中の配線が剥き出しになります。
5. 日本の高い湿度と高温によって配線はいとも簡単に酸化しまいます。
6. 酸化が進むと、振動などによって断線していきます。 
     配線の固定が不充分なのが断線を促進すると思われます。 

7. 接触不良というか導通不良が各所に発生し、トラブルに繋がっていきます。

Fig1はXMの初期型V6エンジンにおける熱害のひどい部分を図示したものです。

1. 「触らぬ神にたたりなし」はある程度正解で、破断寸前の配線もあるのでむやみに引っ張ったりひねったりしないこと。
2. まずは観察して状況を十分把握すること。
3. 上図の赤丸内の配線は新品に換装するのが望ましい。
    その場合はECUカプラ直前からすべて換えたほうが良い。
4. 上図の筒型端子の状態は点検したほうが望ましい。
    劣化がひどい場合は、筒型端子を廃止して左右の配線束を8spくらいの丸型端子にそれぞれ接続して、
  丸型端子同士をボルト締めする。
  さらにエポキシ系の接着材(またはシリコンシーラー)でコーティングすると湿気防止になる。

では、具体的にどうしていけばいいのか、私の車の例で見ていきましょう。

●ラジエター保護
 
ラジエターホースを保護しています。大口径のタイラップをホース外周に巻いた上でアルミの蛇腹ホースをかぶせています。
●お手製ノロジー
 いわゆるお手製ノロジー化。後ろの3気筒も同様に措置しています。
●主配線分割
 主配線の分割の様子(赤線)。本来は図で3系統あるものが一番右の位置に1つにまとめられています。コルゲートチューブ内はすべて新しい配線に換装しています。メッキのように光っている部分はスパイラルがなくなってしまったので(^^)アルミ箔をまいいている部分です。赤の半透明の円内は筒型圧着端子を廃止して丸形+ボルト締めしている部分です。
●アース線
 
ECUとコンプレッサ制御のアース線です(黄線)。コンプレッサ制御線は本来であれは黄色の点線の位置に配置されています。下方に延びる太線はバッテリーマイナスへ繋がっています。
カプラはこんな感じに換装してます。 
端子をヒシチューブと耐熱チューブで絶縁して取り付け。断熱、耐熱布で覆って、タイラップで締め上げています。

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