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〜 左ハンドル車のうまみードリブンギア・ソケット 〜 |
XMのLHDモデルにはセルフセンタリングという独特のステアリング制御機能?が装備されています。 これはステアリングを油圧によって常に直進位置に保つ機能で停車時にハンドルを切るとグルグルグル!っと勝手にもとに戻ります。私はXMを知らない人に見せるとき必ずこれをやってびびらせてます(笑)。本来の効果は、高速走行時の直進性と切り返しのしやすさにあります。 LHDはこの機能があるためトラブルのネタが増え、対処にも高額出費を強いられますが、なじんでしまうとなんとも捨てがたい機能のひとつです。 |
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さて、ドリブンギアソケット。このユニットはミッションからセルフセンター機構、車速感応パワーステアリング機構、スピードメーターに車速情報を伝達しています。 内部は図示(↓)してあるように3個のプラスチック製で構成されており、ギアAがミッションギアと直結、ギアBが間接となっています。ギアからはスチール製のシャフトがでており、スピードメーターケーブル、セルフセンタガバナ駆動ケーブルが接続されます |
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ここのトラブルとしてギアが摩耗して車速が伝わらなくなり関係機構が正常に動作しなくなる件と、ミッションへの取り付け部分のo-ringが劣化してATFが漏れる件の2つがあります。ATF漏れについては別章で紹介していますのでここではギア摩耗について説明します。
ギア摩耗は殆どのケースでギアBに発生します。間接回転しているので赤矢印のように応力がかかっているのですが、このギアのシャフトは貫通していないため周辺を削って徐々に外側に移動していってしまいます。最終的にかみ合わせが解け回転しなくなります。(本来なら点線のようにシャフトを貫通させ下部でしっかり支持しなければならないのですが、ミッションへの取り付け上こうするしかなかったと思われます。うむむ確信犯。。。) 対処法ですがこればっかりは部品交換がベストですね。リペアもしてみましたが半年持ちませんでした。 |
●ひとこと ギアBが摩耗して車速がガバナに伝わらなくなると、パワステは常時最大アシスト、セルフセンターは機能停止になるのですが、これに気づいていないユーザーの方って多いのではないでしょうか。私は知らずに4万キロも走破していました。(笑) 摩耗していても停止状態だとステアリングは直進に戻るのが発見を遅らせる原因ではないでしょうか。 簡単な(体感方法?)は以下の通りです。 -正しい車速感応とセルフセンター- 0->30km/h程度でも確実に重くなったのが分かる。 80km〜で直進走行時、片手で物をとる場合(タバコを消す等)にステアリングのブレを意識しなくていい。 (ハンドルは振れない) 80km〜で20〜30度ハンドルを切っている時、センタリング反力を意識しなくても感じる。(戻そうとする力大) |