XMのABS ECUのダイアグノーシスをテスターなしで読み出す方法


数十万もする?高価な診断テスターを用いなくても、ECUのダイアグを読み出す方法の原理などは、www.bx.citroen.orghttp://www.bx.citroen.org/t02/t02.htmlに書かれていますので、まず一読しておいてください。大変わかりやすく解説されています。ものすごく画期的な方法です。

今回はインジェクションECUではなくABS ECUですので、www.bx.citroen.orgに書いてある手順とは若干異なります。


【手順の概要】

 ECUから出ているダイアグノーシス・ソケット(専用テスターはここに接続してメモリーを呼び出す)に適当な線をつなぎ、それを数秒間ショートさせると運転席メータークラスター内のABS警告灯が点滅し、その点滅回数がエラーコードと対応している。

【準備するもの】


【段取り手順】

sen.jpg (9312 バイト)1.適当な電線を準備し、線端を剥く

 エンジンルームから運転席まで届くような線、そうですねぇ、2.5mくらいですかね、それを用意します。私は電子レンジについてきた線が余っていたのでそれを利用しました。つまりアース線ですね。なければ、ホームセンターや電気店に売っていると思います。その線の両端のビニールをむき、線をよじっておきます。

 

 

hinji.jpg (5502 バイト)2.ドアヒンジを脱脂する

 ドアヒンジを使ってショートさせますので、エレクトロニックスプレーやレクトラクリーンなど電気系にも使えるものできれいにしておきます。私は運転席ドアを開けて、そこにレクトラクリーンを使いました。ただし、脱脂されるので後で注油しておいてください。なお、この部分の脱脂の必要性は藤原さんに教えていただきました。

 これらのスプレーはホームセンターの自動車用品売り場などで簡単に手に入ります。値段も800円くらいです。

 なお、ドアヒンジを使わなくても、他にアースさせる場所があればそこでもかまいません。


【作業手順】

ネジもなにもいらない。手で開く。 (10834 バイト)1.ECUボックスの蓋を開ける

 まず、ボンネットを開けます。向かって左側に黒いボックスがあります。これがECUボックスです。このボックスの蓋をはずします。外すのにはドライバーもレンチも要りません。手でカパッと簡単に開きます。
 まず、手前の縦の蓋の横を持ち少し手で押さえながら手前に引っ張ります。次に上の蓋を左側を開けるような気持ちで引っ張ります。

 

 

ecu.jpg (7001 バイト) 蓋を開けるとECUが3つ並んでいます。手前から、ハイドラクティブ、インジェクション(エンジン)、ABSの各ECUです。

 

 

 

 

socket.jpg (7612 バイト)2.灰色のダイアグノーシス・ソケットを探す

 ダイアグノーシスをECUから読み出すソケットが青、緑、灰、黒の4つあります。それぞれ、ハイドラクティブ、インジェクション、ABS、エアコン用です。
 WIRING DIAGRAMにはこのソケットは「2灰1」と書かれていますが、最初、それが見つからず、黒のソケットにさしこんでいましたが、keigoさんに教えていただきました。(^_^;) 
 ちなみに、「2灰1」とは灰色の2ピンコネクタの1番ピンという意味です。

 見つからない場合は、ABS ECUとインジェクションECUの間の隙間などをよく見てください。挟まっていたりします。

cap.jpg (5375 バイト)3.ソケットのキャップを外す

 黒いキャップがついています。それを外します。はずすには、ソケット側についている外れ留めを押さえて、キャップを引っ張るだけですが、でもこれが、結構かたい!(^_^;)

 

 

 


no2.jpg (8340 バイト)4.2番ピンに線をつっこむ

 WIRING DIAGRAMなどには「2灰色1」つまり、1番ピンとなっていますが、2番です。2番ソケットに線をつっこみます。番号がついているのでわかると思います。線がすぐに抜けてこないように先端を細くよじっておいて、奥まで差し込みます。ちなみに1番の方はただ穴があいているだけで、電極がありません^^;

5.線を運転席に引き込む

 もう片方の線端を運転席までもってきます。

 

warning.jpg (3442 バイト)6.エンジンをかけ、ABS警告灯が消灯するのを確認

 XMのABS警告灯はイグニッションON(IG ON)で、3秒間点灯(素早く点滅)後消灯します。その後、エンジンスタートでまた3秒間点灯し、また消灯します。この状態にします。ABS警告灯はスピードメーター左隣にあります。

 なお、IG ONでABS警告灯が消灯せず点灯しっぱなしだったり、まったく点灯しなかったりする場合がありますが、この場合の対処方法はSHOP MANUAL(資料No.WM-2031)をご覧ください。WIRING DAIGRAM同様、マツダ系ディーラーで購入できます。ただし、1.3万円くらいしますので、私はドリームオートさんでお借りして調べました(^_^;)


earth.jpg (3521 バイト)7.ドアヒンジで1.5〜2秒間ショートさせる

 さて、いよいよです。運転席に引き込んだ線をドアヒンジに当てて、1.5〜2秒間ショートさせます。ショートさせたらすぐに離し、ABS警告灯を見てください。離してから2秒後くらいに、「パカッ」と1回点滅し、さらに1秒後に今度は2回、「パカッ、パカッ」と点滅するはずです。点滅しなかったらショートさせる時間がまずいのです
 ショートさせる時間は、インジェクションECUと違ってこれが結構シビアで、必ず1.5〜2秒間くらいにしてください。これよりながくても短くてもだめです。最初はうまくいかないと思いますが、少しずつ時間を変化させて、まあ、5回も試せば成功すると思います。私は3回目くらいで成功しました。
 なお、ショートと言っても別に火花が出るわけではありませんので、ご安心を(^^)

 さて、この1回点滅、その後2回点滅の意味ですが、これが故障コード12なのです。たとえば、2回点滅、その後5回点滅だったら、故障コード25になります。ただし、コード12と11は特別な意味を持っており、12は診断開始、11は診断終了です。ですから、まずこの12を出さないといけません。

8.診断終了までショートを手順7を繰り返す

 12が出たら、あとはショートを繰り返します。12の次が11だったら何もエラーがなかったことになります。

9.必要なら、最後に10秒間ショートさせてメモリーを初期化する

 ショート時間を約10秒にすると、メモリー初期化になります。つまり記憶されているエラーが全部消えます。初期化は必ずしも必要ありません。

 なお、診断開始コードが出る前に10秒間ショートさせましたが無効でした。11が出てからやった方がいいと思います。


【ABS ECU エラーコード表】

 診断の結果出たエラーコードがどういう意味を持っているのかは下の表をご覧ください。このコードはTRAINING MANUALやSHOP MANUALに載っています。これらのマニュアルには、各々のエラーコードが出たときの点検方法なども載っています。TRAINING MANUALは高いものでもないので(3000円)、ご購入をお勧めします(^^)。

13    エレクトロバルブ
15    ABSリレー・コイル
21    ABSリレー・コイル
22    ABSリレー接点
24    ABSセンサー リヤ左
25    ABSセンサー フロント右
31    ABSセンサー リヤ右
32    ABSセンサー フロント左
33    ABSセンサーシグナル リヤ左
34    ABSセンサーシグナル フロント右
35    ABSセンサーシグナル リヤ右
41    ABSセンサーシグナル フロント左
42    エレクトロバルブ フロント右
43    エレクトロバルブ レストリクタ(フロント右)
44    エレクトロバルブ フロント左
45    エレクトロバルブ レストリクタ(フロント左)
51    エレクトロバルブ リヤ・ホイール

 なお、リヤのエラーのときは、片側ホイールのみABSが動作し、フロントがエラーの時は、それ以外のホイールはすべて動作するようです。


【診断結果】

 私の結果ですが、12,31,33,34,35,41,11でした。恐ろしいほど出ました。(^_^;)

 メモリーを初期化し、走行後再度試すと、今度は31以外全部出ました。つまり4輪ともABSセンサーからのシグナルがおかしいと・・・。この場合の対処方法はトレマニュによると・・・

 ECUを接続したまま1秒間に1回転の速度でホイールを回転させたとき、50mV<V<200mVが規定値で、規定値以内の場合は不具合は断続的なものなのでABハーネスの接続状態を点検する。規定外の時はセンサーの取り付け状態(クリアランス)とローターの状態を点検する。

(XM TRAINIG MANUAL 1990-10 ET-2011 より)

 と、あります。ABハーネスというのはECUから各センサーやハイドロリックユニット(ABSを効かせるためのエレクトロバルブなどが入っているユニット)につながるハーネスのことです。このハーネス名や場所はWIRING DIAGRAMにしか載っていません。
 ただし、各センサーからECUにつながっていますから、各輪のABSセンサーにつながる緑色のコネクタ(いつも磨いているやつ)の2ピン間の電流を測ればいい(?)ようです。しっかし、ホイールなんてそんな簡単に回らないんですよ。堅い!回ったとしても一人では計れませんよぉー(^_^;)

 ということで、診断はしたがいまだに対策に至ってません・・・(^_^;) どうしたらいいのか目処もたっていません。どなたか助けてください!


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