あばん・ぎゃるど  
  シトロエン日記  
  2009.9.13 Xm、ハイドラクティブECUを交換してみたら・・・  

ハイドラクティブが時々誤動作してSPORTSモードに入ってしまうことがあることに気づいていました。頻繁というほどでもないのですが、気になっていました。突然、ラジオ法でピー音が鳴らなくなり、一旦発生すると頻繁にピー音が途切れたりしていました。もっとも、スフィアをコンフォートにしてからは、SPORTSになっても比較的柔らかいので、それほどひどく気にはならないのですが、それでもSPORTSに入ると、すぐにわかります。ガタタタを跳ねる感じがするからです。かといってハイドラクティブECUが壊れているとは思っていません。普段、ラジオ法ではきわめて正常に動作しています。発進時、アクセルを踏むとピー音が消え、アクセルを急に離しても、やはりピー音が消えます。ちゃんと動作しています。しかし、もしかして・・・ということも考えられます。
そこで、あばん・ぎゃるどスクエアでたまたま、salさんが97年式中期Xmを廃車にするので、部品をご提供くださるとお知らせくださいました。連絡し、格安でECUを譲っていただきました。
早速、譲っていただいたハイドラクティブECUに交換してみます。黒XMやシルバーXM-Xでは、散々開けたECUボックスですが、このXmでは初めて開けます。
ECUボックスの位置は、ボンネットを開けて、向かって左にあります。開けるのに工具は必要ありません。
まず、このように手前の蓋を開けます。爪は2ヶ所。右の爪がある辺りを内側に押さえながら手前に引っ張ると開きます。
次に、上蓋を開けます。上蓋は矢印の右の2ヶ所を外したら、左の2ヶ所に丸いひっかけがありますから、それを外すように蓋全体を右にスライドさせながら、右側を支点に蓋をひっくり返すように開けます。

右フェンダー側から見た写真。
エンジンECUのコネクタを外した状態
蓋を開けると、エンジンECU(白矢印)とハイドラクティブECU(青矢印)が見えます。
あれ?ABS ECUが見当たりません。初期型だとエンジンECUの左(正面から見て奥)にあったのですが、そこの部分にはぽっかりと空間ができてます。ここはうまく使えば、何かの後付装置なんかを入れられそうですね。
ハイドラクティブECUはエンジンECUと仕切り板を挟んでボルトでひっついていますので、二つ同時に引き出す必要があります。そのためには、ECUにつながるハーネス長が足りないので、このコネクタをまず抜きます。
エンジンECUのコネクタは、写真で奥側に銀色の外れ止めがありますので、これを指で奥側に広げるようにして手前側を支点にして、手前に引き起こすようにして外します。その後、支点部の引っかけを外します。
ハイドラクティブECUの方は、白黒2つのコネクタがあります。これには細い針金状の外れ止めピンがついています。コネクタを抜くのに、このピンを外す必要はないのですが、ピンをずらして、コネクタの爪を浮かせないといけません。
そこで、まずECU本体をエンジンECUがひっついたまま少しだけ引っ張り上げます。次に、ピン端を薄めのマイナスドライバの先で押し当て、浮かせます。ピンの両端をやります。
ピン端はエンジンECU側にあるので少し押し当てにくいのですが、なんとかなります。
このようにピンを浮かせると、コネクタは抜けます。
2つのコネクタを以上の要領で抜きます。
さぁようやくECUを引っ張り出せると思ったら動きません。ん・・・?タイラップでハーネスとECUが固定されていました。
このタイラップをニッパーで切ります。また後でタイラップしておけばいいので。
ようやく引っ張り出せました。手前がハイドラクティブECUです。
ボックス内にはごみが溜まってました。
ハイドラクティブECU本体を外すには、白丸の10mmのナットを外します。
ECUは、初期型同様、Valeo製。

ECUのバージョンは、H4.3 となっています。
1995年の第23週の製造でしょうか。
その他、バージョンの横に、S2I2Gと書かれています。
譲っていただいたECUは、バージョンが H5 となっています。1996年第9週製造でしょうか。
バージョンの横には、S2J2Gと書かれています。

バージョンや型番?がひとつ上がっているという感じです。新しい分、誤作動やロジック改善、品質などが期待できそうです。
譲ってもらったほうに交換して、ボックスに納めました。
ついでに、エンジンECUのバージョンも見てみました。
製造は、やはり初期型同様SIEMENS製。
バージョンはEとなっています。
初期型では、バージョンG以上が良いとされていましたが、同じエンジンですがそれとはシリーズが違うのでしょうか。初期型には、FEXIX 3の3がなかったように思います。あったかな?
  さて、試乗です。といっても、誤動作はしょっちゅう起きているわけではなかったので、すぐにはわからないかもしれませんから、ロジックなどがどう違うのか、わからないのかもしれませんが、試してみることにしました。
ここ数日はラジオ法でのモニタリングのために、オーディオはAM522kHzにラジオをあわせてあります。エンジンをかけます。あれ・・・?ラジオ法でのピー音がしない!!
あらー、何だこれ、96年式の私のXmには97年式のECUは合わないのか??そう思って、エンジンかけたまま降りて、リア・ハッチを押してみます。ふわん、ふわん。NORMALになってる。
それなのに、ピー音がしない・・・。
まぁいいや、とにかく乗ってみるか。走り出してみると、ふわん、ふわんで、前より柔らかく感じます。気のせいでしょうね、これは。ロジック変わっただけに過ぎないんだから・・・。でも、柔らかい感じだなぁ。アクセル急に踏んだり、アクセル急に離したりしても音にはまったく変化なし。80km/hくらいで走行しましたがすこぶる気持ちが良い乗り心地です。
停止してアイドリングのまま、リア・ハッチ押すとやはりふわん、ふわん。エンジンを停止させます。車体横にしゃがみ、エレクトロ・バルブに通電している音、ヒー音を聞いてみます。はっきり聞こえます。そして、約30秒後、おなじみのカチン音がして、ヒー音消えます。うーん・・・ちゃんとECUは動作してるなぁ。
柔らかいので、しばらく様子見です。

(続報 2009.9.22)
その後ですが、やっぱりH4.3との明らかな違いというものはないように思います。乗り心地に変わりなく、ときどき、サスロックは発生します。考えられるのは3つ。
1つは、ECU誤動作によるサスロックは一般的なことである。
2つ目は、ECU以外の原因。たとえば、エレクトロバルブの故障とか。
3つ目は、譲っていただいたECUも故障していた。

2つ目は、考えられないことはないけど、普段ちゃんと動いているところを見ると、考えにくい。
3つ目は、確率的に低いのと、やっぱり普段はちゃんと動いているので、考えにくい。
となると、やっぱり1つ目が一番可能性があるのかな。MAKOさんによると、海外ユーザーも含めて結構悩んでいるようです。対策装置を付けて以来、発生してないとのことで、どんな原理なのか興味があるところです。
譲っていただいたECUは、しばらくこのまま装着していようと思っています。ECUを変えてもサスロックには変化がないということがかなりはっきりしたことは、収穫でした。salさんありがとうございました。

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