あばん・ぎゃるど  
  シトロエン日記  
  2010.5.29 シトロエンXmのブレーキランプのSMDをいろいろとテストしました  

シトロエンXmのブレーキランプをオチさんにご提供いただいたSMDタイプにトライしてみたら、ダブル球なんですが、テールランプが点灯しないということがわかったわけです。
前回のトライで、テールは点かないけれど、ブレーキを踏むと点灯することから、仮説として、「このLEDは、底面の電極が通常と逆になっている?」というものでした。

この問題に対して、規格を含めていくつかのことについて、みなさんがあばん・ぎゃるどスクエアで教えてくれたことがありますので、ここで整理しておきます。

まず、深谷さんから、
「S25バルブはガラスの形状、口金はS25の場合BA15sがブレーキやウインカー用のシングル球、BAY15dが段違いピンのダブル球」と呼ぶと教えてくれました。

次に、たにやんさんが、「 http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html の"JIS規格名称からJISを検索"で"電球"と入力して検索すると幾つか自動車用の電球に関するJIS規格が閲覧できます。
JISC7506-1「自動車用電球類−第1部:寸法,電気的・光学的初特性」で自動車用の電球に関して全般的な内容が規定されており、口金に関しては C 7709「電球類の口金・受金及びそれらのゲージ並びに互換性・安全性」に口金の寸法に関して規定が有りますが、電極の極性に関しては特に記載は無いようです。
つまり極性に関係なく点灯する電球しか今まで無かったため、LED電球の極性に関しては未だ公の規格は無いということではないでしょうか。だとすると、XMの問題や製造ミスというより、新しい形式の電球が普及する前の過渡期の問題と言えるかもしれません」

一般に自動車用LEDを選定するときに注意しなければならないことは、極性です。電球は+と−の極性が逆になっても、点灯します。LEDには極性があって、+と−が逆になると点灯しません。このことは、ポジションランプ球のときに実際に経験していました
S25のLEDの場合、底面が+、側面(銀色の円筒部分)が−の場合が多いようです。そして、多くの車両もそうなっているようですが、一部の軽自動車などが逆になっているものがあるようです。たにやんさんは、そのことを言っていて、極性が違うことは、規格違反ではないということなんだと思います。
みなさん、情報をありがとうございました。

さて、Xmについて考えたとき、一般の車両と同じように底面が+、側面が−になっているようです。そして、今回、オチさんにご提供いただいたLEDはブレーキを踏むと点灯することから、極性自体は車両側とLED側では間違っていないということは、はっきりしていました。

このダブル球底面2つの電極をAとBとします。
車両のAと電球のA、車両のBと電球のBが一致しないと、今回の仮説のようなことになってしまうので、規格が必要な気がします。でないと、せっかくピンを段違いにして、AとBが逆転して差し込まれないようにしている意味がないと思うんです。
普通の電球を買って来ると、ちゃんと点灯するということは、やはりこのダブル球底面の規格は存在してそうです。

そして、今回の場合の現象を整理すると、
事実1:段違いピンを普通に挿入して、テールライトをONにするとLED電球は点灯しなかった。
事実2:段違いピンがあるのですが、それを無理矢理180度逆に挿入し、ロックできないから、手で押さえたままにしてテールをONにすると、点灯した。
事実3:段違いピンを普通に挿入して、ブレーキを踏むと点灯した。
ということから、LED側のAとBが車両側のAとBの逆になっているのではないか?と考えたのが前回のことでした。
しかし、腑に落ちない点があります。
LED電球の内部回路がA,Bが逆転して製造されてしまっているとすると、普通に挿入すると、ブレーキを踏むとテールが点灯し、テールをONにしたら、ブレーキランプが点灯してもいいはずです。でも実際にはテールをONにしても、まったく点灯しなかった。考えたらおかしい。仮説が成立しない事実が出てきました(事実1)。
そこで、いろいろとテストしてみることにしました。
まず、車両側のAとBのどちらがスモールで、どちらがブレーキかを確かめます。
電球の側面が−ということがわかっていますから、側面に接触するのは、リアランプユニット裏のソケットユニットのこの黒ワニ口クリップが挟む板金になります。そして、底面が接触する電極がプラスですから、まずは左側(上写真のA)を赤のワニ口クリップに繋ぎます。

次に、ノーマル電球の側面のピンに黒クリップを挟みます。
全体こういう感じ。
ライトスイッチをONにします。
段違いピン位置下を底面正面から見て上とみたとき、底面接点の右側に赤クリップを接触させてみます。
すると、点灯しました。暗いですから、テールランプとしての5Wのフィラメントが点灯ているようです。
今度は左側を接触させます。すると、明るい!
これはブレーキ・ランプとしての21Wですね。
これでわかりました。さっきの写真で、Aがテールランプに相当する5W用フィラメントが点灯する接点、Bがブレーキを踏んだときに点灯する21W用フィラメントが点灯する接点になります。
念のため、両方に同時に接触させると、両方のフィラメントが点灯しました。当たり前ですね。
つまり、電球なら明るさは4値とるわけです。
オフ、5W(テール)、21W(ブレーキ)、5W+21W(テール+ブレーキ)
実際の明るさとしては、目視する限り、5W+21Wは21Wとほとんど変わらない感じがします。
念のため、砲弾型LEDでも同じようにすると、段違いピン位置下を底面正面から見て上とみたとき、右接点ががテールとして、左がブレーキとして点灯します。
で、両方同時に接触させると、ブレーキのときと明るさがまったく一緒です。
つまり、砲弾型LEDは3値しかとらないことがわかりました。
テール点けながらブレーキ踏んでも、ブレーキのときと同じ明るさということです。

さて、いよいよSMDのLEDです。
右に接触させます。テールとして点灯するはずの接点です。点灯しました。
えーーーー!?なんでぇーー!!!!???
事実1.に反する結果ですよー。
左も接触させます。左はもっと明るく点灯しました!
これは事実3.から考えて当然。
右はテールとして、左はブレーキとして正常に機能していますよ、これ。どうなってんの?
ということは、LEDの底面の接点A(右)と車両側ソケットの接点Aがうまく接してないことになります。接点B同士はうまく接している。そう考えると、観察事実1.〜3.はすべて説明できます。
ちなみに、両方接触させると、砲弾型と同じく、3値しかとらないことがわかりました。さらに、ブレーキとして点灯しているときも、まぶしくて直視できないっていうことはないです。前回のトライで明るさが半減しているのではないかと思っていたのは、誤りで、あの明るさがブレーキとしの明るさです。期待していたほど明るさはないですね。拡散性が優れている点が良いポイントになりますね。
そこで車両側接点Aをクリップで持ち上げぐいぐいと上に上げました。それで試してもだめ。
もっとかぁ、ってんでぐいぐいと何度も持ち上げて金属にクセをつけようとしてたそのときです。ぱちんっ!あ、やっちゃった!クリップが接点と側面に同時に接触し、ショートです。やべー。
ノーマル球をはめても、テールが点灯しません。左側のテールユニットで作業をしてたのですが、右側はちゃんと点灯してます。焦りました。何か回路が壊れたか・・・。あー、どうしようー。
でも冷静に考えると、ヒューズが切れてるだけなんじゃ?

付属の取説を調べてみると、左テールライトはF18とのこと。
助手席下側のヒューズボックスを調べてみると、F18(5A)がやっぱり切れてました。あー、よかった、ヒューズ変えるだけだ。
予備のヒューズがねーかな。取説で、5Aの予備を調べると、F16が未使用の予備のようです。これを抜いて、差し替えます。
あとで、ホームセンターでヒューズセットを買ってきました。いろいろ6つくらい入って390円。この中から5AのをF16に挿しておきました。


今度は危険なので、コネクタを外して作業します。二つあるコネクタの上下がわからなくなるといけないので、写真に撮っておきます。
さらに、赤と黒が接触しにくいように、点灯実験するときはこのように離しました。よくみると、赤クリップが挟んでいる金属板は電極Aに繋がっていることがわかったからです。
しかし、何度接点Aを持ち上げても、LEDを挿入すると点灯しません。
普通に挿入して、押し込まないでいると点灯するんですよ(写真)。
でも押し込んで45度ほど回転させてロックさせると、点灯しなくなります。押し込んだ瞬間から消えます。押し込むとより接触しても良さそうなんですけどねぇ。
LEDの接点を見てみるんですが、電球や砲弾型LED若干山のふくらみが低いようにも思えますが、別に普通なんですよ。
2個頂いたSMDのもう一方で同じ実験をしてみますが、まったく同じ。挿入するとテールだけが点灯しません。それなのに、クリップでやるとちゃんと点灯します。
2個とも不良ってことあるかなぁ。ロット生産してたときそのときの装置に問題があったか、そのときだけいつもと違う作業者がやってたりすると、そうなる可能性はあるけれども。そもそも工場生産しているのかどうかもわからないしな。家内制手工業のような生産かもしれないし。
うーん、わからないです。盛り上がり方や面積かな?
面積もね、ノーマル球と変わらないように見えるんですよ。わかんねー、諦めました。
でもこれは、製品不良の一種といっていいのではないでしょうか?
今度は少し接点を半田で盛ってみようと思ってます。

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