あばん・ぎゃるど  
  シトロエン日記  
  2013.3.23 リア・スフェア交換で痛恨のミス。リターン破断で下血  


Xmの乗り心地が少し悪くなってきたようで、特にリアが気になりだしました。ブレーキを踏んで停車したとき、お尻が持ち上がる現象もでなくなっていたので、リア・スフェア、リア・アディショナルが寿命に近づいているんだと思います。リアの乗り心地は、アディショナル・スフェアの影響がすごく大きいとは思うんですが、まず基本のリア脚球を交換することにしました。
リア脚球交換リア・アディショナルの交換は、2009年6月とか7月ですから、3年半以上、3.5万キロ近くにになるわけですから、もうそろそろ交換時期といっていいでしょう。

リア脚球はもちろん、前回と同じコンフォートスフェア。いわゆるスペコン玉です。
買ったのは、やっぱりいつもの、あすなろさん。
品質も対応も信頼できるし、何より割安です。ありがたい。
リア・コンフォート・スフェア 左右一式 17,800円(送料別)




さて、3年半ぶりになるスフェアの交換。スフェア交換自体は、XMやXantiaの時代から何度も何度もやっていて、慣れています。

まずは、エンジンをかけたまま、車高調整レバーで、車高を最高に上げます。
次に、リアをジャッキアップし、ウマをかけます。
ジャッキアップポイントは、リアスフェアの下の黒い部分。
次に、車高調整レバーで車高を最低にし、油圧を抜き、エンジンを止めます。
最後に、ドアを開けたまま、ブレーキを120回くらい踏みます。

詳しくは前回の手順を参考にしてください。

ここまできたら、スフェアを取り外すのですが、ここで大きな間違いをしてしまいました。
最後の、ブレーキを踏む手順を抜かしてしまったのです。これが、後でかなり痛い目にあうことになりました。
スフェアは、どこにでも売っているエーモンのレンチ。柄が短いので、スフェアが堅い場合は不都合ですが、前回のスフェア交換時に、手締めしておいたので、今回は簡単に回せます。
スフェアの周りの泥や埃をボロ布で、簡単に拭いてから、レンチをかけて回します。
ある程度、回したら、後は手で回します。
うまく、外れました。LHMもほとんど漏れてきません。
ということは、破れ球ではなかったようです。これがスフェア内の窒素ガスとLHMオイルをわける隔壁が破れて、LHMが隔壁内に入ってしまうと破れ球といい、スフェアをもったときずしりと重く、外すと球の穴からだらだらととめどもなく流れます。


悲劇の始まりは、新しい球を装着する前に、スフェアの挿しこみ口に付着したLHMを拭おうとして、リア・ハッチに入れてある布を取ろうとして、ハッチを空けた瞬間から始まりました。
バシュンッ!と大きな音がして、まだ装着前のリア・スフェア装着口の穴から、LHMが大量に噴出したのです。
しまった!その瞬間に、圧が抜き切れてなかったんだ、ブレーキを120回踏むの忘れてた!と気づきました。リア・ハッチを開けた途端、アディショナル・スフェアが接続され、その圧が一気に抜けたためだと思われます。エンジンをかけてなくても、ドアなどを開けると、NORMALモードになるため、閉じられていたアディショナルへの油圧回路が開きます。

あーあ・・・タイヤや、周辺にもLHMだらけになっています。
まいったなぁ・・・。LHMを布で拭った後、脱脂するために、パーツクリーナーを吹きまくって、綺麗にしました。
道路に新聞紙を敷いていたのですが、そんなものでは吸着できないくらい大量のLHMが漏れてしまいました。新聞を足して、吸着します。

新しいスフェアを装着します。
今更ながらですが、ブレーキを120回踏んで、残りの左も交換しました。
通常なら両方で、30分もかからない作業ですがLHMの掃除で、えらく時間がかかってしまいました。

さて、エンジンをかけて、車高を上げ、ウマを外してから、車高を元に戻してふと見ると、右フロントタイヤの後ろにLHMがそうとう漏れてきています。
え?・・・何これ・・・?なんでこんなとこに?
後ろで吹いたやつが、リアが上がっていたからフレームを伝って、前まで流れてきたのかと思いました。しかしそれにしても、漏れが止まりません。
漏れてるところを特定するために、LHMの雫をたどっていくと、右フロントホイールハウスの隙間から漏れてきています。

緑の矢印方向にLHMがかなりの量が漏れ出しています。
さらにたどっていくと、フロントガラスとエンジンルームの間、バルクヘッドの後ろあたりから、漏れています。
雨水用の排水口から、ホイールハウスのところに流れ出ていました。
これ以上奥を見ることができないので、ボンネットとワイパーの間の樹脂のパーツを取り外すことにしました。
取り外し方は省略しますが、ドアミラーの根元のパーツを上側を手で外し、下から持ち上げるように上へ力を入れてスライドさせるとプラスねじが出てきてそれを外すなどすると外れます。

しかし、漏れている部分は詳細にはわかりません。この矢印の奥からLHMが漏れてきています。
スフェアの圧抜きが不十分だからといって、どうして、こんなところが漏れてしまったのか、わかりません。腑に落ちないのですが、このことがきっかけだったことは間違いありません。
何かわかりませんが、このパーツの下辺りに漏れ箇所がありそうですが、これ以上は素人には手が出ません。
そこでドリームオートさんに相談しました。1秒に1滴ほどのペースで漏れてきていますが、家から5分くらいのところなので自走して工場に入れました。
ですが、数日後、直すことができないという連絡が・・・!
そうかぁ、やっぱり無理か・・・。いろいろと外さないとだめだろうからなぁ・・・。しかし、ドリームオートさんに代車をお借りしているので、お返ししないといけません。さぁ、困った。どこに面倒を見てもらおうか・・・。もう周辺には信頼できるお店がありません。
Xmを買った京都のアウト・パラスさんにお願いしようかとも思ったのですが、パラスさんは数年前にシトロエンの販売からは手を引いてしまっているので、最近のXmの部品の入手難状況を考えると、お願いしづらいと思いました。
そこで、お店でいろいろ痛い目にあっていらっしゃるmixi仲間の白Xmのしろくまさんにご相談することにしました。しろくまさんに、事情を説明し、京都のアウト・ニーズさんはどうか?とお聞きしました。アウト・ニーズさんは、ブログでも積極的に情報を発信しており、全国に顧客がいて、技術力もありそうで、注目していました。いつもお世話になっているあすなろ軍団も、よく訪れています。
しろくまさんからは、技術力がありその点は安心できる、などというお話を聞かせてもらいました。
そこで、アウト・ニーズさんにお忙しい中、無理をお願いして、引き受けていただくことにしました。
引き受けて頂くまで、工場があくまで10日間ほどの時間があり、その間、ドリームオートさんのご好意で、代車をお借りすることができました。社長、ありがとう!助かったよー。待っている間も、ドリームオートの社長がいろいろご心配くださり、いろんな配慮をしてくれました。本当に感謝します。
さて、アウト・ニーズさんは、自宅から車で1時間半くらいのところだったのですが、初めて訪れました。とても広いお店で、在庫というか、レストア前車、というか、大量に並んでいます。裏のヤードも含めると100台近くあるのではないかと思われます。社長も奥様も気さくな方で、1〜2週間くらいの期間かかるだろうということでした。
で、代車としてお借りしたので、このCITROEN BX 19TZI BREAK
アウトニーズの社長が普段乗りしているのを、返って来るはずの代車が返ってこなかったということで、貸してくれました。
え?一見さんの私に、これを?
社長の太っ腹としろくまさんからの紹介というお墨付きのおかげだと思います。これを報告すると、しろくまさんもびっくり!
修理が終わる2週間の間、BXを堪能させてもらいました。アウトニーズさん、ありがとうございました!
この話は別頁で。
さて、お預けしてから、2週間ほどで、出来上がったとご連絡をいただきました。
きちんとシートにビニールまでかぶせて頂いています。

店内は広く、屋内にも多数の車を展示。

お店の周りに所狭しと並べられている歴代シトロエンの数々

裏にもヤードがあり大量の車が並んでいます。

整備中やレストア中のシトロエン。

ステアリング・シリンダー・ブッシュ抜き替え脱着の図。クリックで拡大
さて、今回の原因ですが、プレッシャーレギュレーターのリターン・ホースの破れでした。
同時に、プレッシャーレギュレーターのOHをしてもらい、もともと漏れていたところも完治しました。
そのほか、写真にあるステアリング・シリンダー・ブッシュも交換してもらいました。ステアリングに微妙に振動が伝わると、預けるときに話してあったことを対策してもらったわけです。この振動も完治していました。ここが弱ってくると、ピニオン・バルブから繋がる2本のパイプの根元が緩んできて、そこからLHM漏れが発生し、最悪、折れてしまうそうです。そういえば、銀XMを最終的に廃車にしたとき、その直前にそこからの滲みが指摘されていました。そうなるともう遅いということなんだと思います。だから、予防措置として、有効なんだと思います。

今回の整備内容は、
・12ヶ月点検
・ブレーキシリンダーブーツ交換
・プレッシャーレギュレーター リターンホース汎用品交換
・プレッシャーレギュレーター脱着、OHシールKIT交換
・フロントサスペンションシリンダーリターンホース交換
・ステアリングラックブーツ左交換
・ステアリング・シリンダー・ブッシュ抜き替え脱着
・スロットルバルブ洗浄
・ハイポンプVベルト交換
・4輪ブレーキエア抜き一式

などの整備で、一通り、今やっておいたほうがいいところをやってくれてあって、気になる整備代金は13万円ちょっと。

私としては、妥当な価格であり、良心的ではないかと思って大変納得しています。技術はしっかりしているし、BXまで無料で貸していただいて、こちらで購入した車でもないのに、面倒を見ていただいて、大変助かりました。今後もこちらでお世話になるつもりです。
あらためて、アウト・ニーズさん、そしてご紹介くださったしろくまさんに感謝申し上げます。

結局、乗り心地が悪くなっていたリア・スフェアですが、残圧を測定していないので、わからないのですが、若干改善しただけという感覚です。やはり、リア・アディショナル・スフェアも交換しないといけないでしょう。
またフロントも堅く感じています。もしかすると、フロント・サスペンション・スフェアが対策球に安心していて、破れているのかもしれませんし、フロントのアディショナルも交換時期なのかもしれません。

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